新年恒例の歌会始の儀では、両陛下や皇族方のお気持ちが込められた和歌が披露された。その「思い」が言葉から見えた、皇室の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2024年2月25日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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23日、64歳のお誕生日を迎えられた天皇陛下。本格的なコロナ禍明けとなり、昨年はそれまで制限が緩和され、園遊会やインドネシア訪問などに際して、天皇陛下の声を聞く機会も増えた。天皇陛下のふとしたひと言はユーモアにあふれ、アドリブ力に長けていて、私たちを和ませてくれる。そんな天皇陛下のユーモアのある言葉を振り返る。
天皇、皇后両陛下は2023年6月17日から23日まで、インドネシアを訪問された。お二人にとって、初めて国賓待遇で外国訪問だ。
そのインドネシア訪問で注力したい項目に掲げられていたのが、インドネシアの若い世代の人たちとの交流だった。
日本に留学経験のある人たちで設立されたインドネシアの私立大学「ダルマ・プルサダ大学」で日本語を学ぶ学生らと交流したときのこと。日本のアニメが好きだという学生に、好きなアニメのタイトルを天皇陛下は質問された。
「『NARUTO』が好き」と答えると、すかさず天皇陛下は
「私は『NARUHITO』(徳仁)です」
と答えられた。
笑いが起きてさらにひと言
雅子さまはもちろんのこと、その場にいた人たちからどっと笑いが起きたという。その笑いの盛り上がりを受けて、すかさず天皇陛下は、
「特に関係はないのですけど」
と、今度はご自身で会話をサラリと回収された。
インドネシア訪問時のユーモアセンスとアドリブは際立っていたが、実は天皇陛下は若い頃から、数々のダジャレを披露していることでもよく知られる。