ノリコさん(30 代・大学教員)のぼやき
「なぜ、充実した休日にしたいのに、ごろごろ寝てばかりになってしまうの?」
休みの日には、本当はもっと外出していろんなことがしたいのですが、寝てばかりになってしまいます。一旦外に出てしまえば、元気に過ごせるのですが、出るまでが大変なのです。
着替えなどの身支度の前に、溜まった洗濯や、部屋の掃除、クリーニング、食材や日用品の買い物など休日にやるべきことが多くてうんざりして、やりたいことまでたどりつけないのです。いや、やるべきこともこなせず寝ています。こんなふうなので、休日はいつもやる気がなくなってしまうのです。
注目したい「外出のハードルの高さ」
ノリコさんは、平日の疲れを休日に回復しようとしているため、ついつい寝すぎてしまいます。いわゆる「睡眠負債」を抱えているようです。
しかし、ここでもっと注目したいのは、「外出のハードルの高さ」です。これには報酬遅延という脳の特徴が関係しています。
一般的には、私たちはご褒美(報酬)が早くもらえる行動を好みます。やってすぐ結果が出るとか、すぐ褒めてもらえることは厭うことなくすぐします。しかしノリコさんは、外出するというご褒美にたどり着く前に、身支度や家事がたくさんあって、外出してパン屋にいくとか、映画を見るといった楽しい用事(つまりご褒美となる報酬)が時間的に遠くにありました。だからやる気が出ないのです。