1月12日、フジテレビの情報バラエティー番組『ワイドナショー』が3月末で終了することが正式に発表された。以前から非公式で終わるのではないかという情報は出回っていたが、番組内で公にそれを認めた形となった。
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SNSなどの反応を見る限りでは、この番組の終了を嘆いている人はあまりいない。『ワイドナショー』は始まった当初は話題になっていたものの、最近は視聴率でも苦戦していたし、SNSやネットニュースなどで話題になる機会も少なくなっていた。
その大きな要因は、レギュラーコメンテーターだった松本人志が途中で抜けたことだ。この番組が始まった当初の売りは、大物タレントである松本が最新の時事ネタや芸能ニュースにどういう切り口でコメントをするのかということだった。松本は2023年3月に番組を卒業した。メインキャストが欠けたままの状態では苦しくなるのは無理もない。
終了の理由はそれだけではない?
でも、打ち切りになった理由はそれだけではない。この番組のコンセプト自体が経年劣化に耐えられなくなっていたのが本当の理由ではないか。
2013年に始まった『ワイドナショー』の基本的なコンセプトは「普段スクープされる側の芸能人が個人の見解を話しに集まる」というものだった。松本を筆頭に、普段はコメンテーターとしてほかの情報番組などに出ていないようなタレントが出演して、芸能ニュースなどについて自分の意見をはっきり言う。番組が始まった当初は、それ自体が斬新な企画であると考えられていた。
しかし、このコンセプトは徐々に目新しさを失っていった。芸人をはじめとする芸能人が情報番組でコメンテーターをやる機会もどんどん多くなり、それ自体があまり珍しいものではなくなった。
今ではSNSやYouTubeなどのウェブサービスが数多くあり、芸能人本人がテレビなどのマスメディアを通さずに生の声を届けることも簡単にできる。芸能人が自ら発信することの敷居が下がり、わざわざテレビに出ないと意見が言えないという時代ではなくなった。