2025年に入ってからも、投資に関する有象無象のニュースや情報があふれています。そうした環境だと、何を活用していいか迷いますよね。数十年前は、個人投資家が利用できる情報源は限られていました。しかし、YouTubeなどのソーシャルメディアや、個人投資家向けの投資メディアの拡充で投資情報へのアクセスが劇的に向上しました。こうしたソーシャルメディアでは、個人投資家や非専門家の多くが自らの投資分析を共有しており、特に機関投資家があまり注目しない中小型株の分析が充実しています。
一方で、ソーシャルメディアが危険な投資スタイルを助長するリスクも指摘されています。では、情報をどう活用すれば投資に役立つのでしょうか?
約18万件の記事を分析
米ウィスコンシン大のMichaelと Farrell博士らは、こうした疑問に答えてくれる研究(注1)を2022年に学術誌に発表しました。この研究は、アメリカでメジャーな、米国株に関する情報を掲載する金融メディア「Seeking Alpha」を用いて検証しています。Seeking Alphaは、読者が記事に対してコメントやフィードバックができる場が設けられています。この研究によると、Seeking Alphaは、個人投資家の取引行動に大きな影響を与えています。2006年から17年まで公開された約18万件の記事を分析し、次のような結果が得られました。