過去、多く読まれた記事を配信いたします。ぜひ御覧ください(この記事は「AERA dot.」で2024年6月6日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。
【写真特集】「園遊会デビュー」の愛子さま 右手で「チョキ!」や「ビックリ」の仕草 クルクル変わる表情の可愛らしさ
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先月ロンドンを旅したときのこと。
ロンドンのお土産屋にはたいていロイヤルファミリー関係のグッズが売られているのだけど(Tシャツとかマグカップとか缶バッジとかマグネットとか)、目についたのは、どこのお店でもチャールズ国王グッズが売れ残っていたことだった。半額セールになっているのに、ずらりとチャールズ国王のマグカップにはホコリが被っていたりする。一緒に旅をしていた友人(←イギリス王室好き)などは、チャールズ国王の顔が入った貯金箱を見て「お金、貯まらなそう」と不吉なものを見るようにつぶやきながら、故エリザベス女王のタンブラーなどを物色している。チャールズさん、国内海外ともに、あまり人気がないようです。
それにしても王室の人気がマグカップの在庫であからさまになる現実は、なかなかシビアである。
もし、これ、日本の皇室でやったらどうなるのだろう……とついつい考えてしまう。愛子内親王のマグカップとかあったら売れるのだろうな、とか。売れ残ってしまったときにディスカウントはさすがにできなさそう、とか。誰のマグカップが売れ残ってしまうのかな、とか。
先月、衆参両院の議長と各党の代表者らが安定的な皇位継承のあり方について協議を始めた。とはいっても、19年前に小泉元首相が先導した女性天皇を認めるか否かのドラスティックな議論ではなく、男系男子しか皇位継承できないことを大前提にしたもので、基本的には「どう現状維持するか」の話である。
各党への聴取による論点整理に変更されたが、意見がまとまれば、皇族の女性は結婚しても皇族でいられる方向に、旧宮家の男系男子は養子として皇族に復帰する方向に。これによって皇族が増えていくという計画だ。とはいっても皇族の女性の夫と子には皇位継承資格は与えられず、養子となった旧宮家男子にも皇位継承資格は与えられないだろう。ただただ、「外から来た女」に「男の子を産む」を求め続ける制度である。それはやっぱり……モヤモヤするではないか。