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 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「正月休み」について。

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 2023年もどうぞよろしくお願いいたします。元日は朝5時に起き、午前から4時間の生放送番組に出演。そのまま両親の家へ行き、家族で正月っぽいものを食べ終わる頃には、眠気と年末に蓄積した疲労で誰とも口を利きたくなくなり、のそのそ帰宅しひたすら寝る。これがここ数年の私の正月です。もちろん今年も、帰宅した途端に「気を抜くと死ぬんじゃないか?」と思うぐらいのしんどさに襲われ、寝て起きたら2日の夜でした。近所のピザをデリバリーしてもらい、半分くらい食べて再び寝て起きたら4日の昼でした。

 辛うじて起きている時間に、LINEで年賀状を200通ほど送ったので、私を知っている人たちは「今年もミッツは新年からきちんと稼働している」と思ったことでしょう。稼働どころか、元旦から5日まで下着も替えていません。子供の頃から漠然と感じてはいましたが、私、正月が苦手です。4回目の年男になって改めて思います。

 しかしこの正月休みがないと、師走の忙しさを乗り切る自信もないため、ここで廃人になる時間は絶対必要です。できれば、この廃人時間を使って歯医者に行ったり、大腸検査のひとつでも受けられれば一石三鳥ぐらいにはなるのですが、私のような独身中年男性にとって「正月三が日」というのは、まさにロックダウンそのもの。かと言って、新年から海外へ行っても、ウォシュレットのない街でお腹を下して終わるのが関の山。そもそも3年近く、歯が4本も抜けたり欠けたりしている状態で外国など怖くて行けません。

 今年は正月早々、トイレの蛍光灯が切れました。ちなみに一昨年の11月から寝室の暖房と洗濯機が壊れたままです。寝室は電気ストーブがあるのでどうにかなりますが、洗濯は1年以上「手洗い」をしています。どういうわけか脱水と乾燥だけは正常に動いてくれているため、週に3回のペースで下着や肌着やストッキングを始め、時にはベッドシーツなども洗面所でもみ洗いと濯(すす)ぎをして、力いっぱい絞り上げてから、後方にある洗濯機の穴をめがけてラグビーボールのように放り込むという作業をしています。洗濯のお供にスマホアプリでラジオを聴く機会が増えました。地方のAM局のワイド番組などを流しながら、痔で汚れたパンツなどをゴシゴシするのもまた一興です。

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