本誌の前回調査時は圏外だった「iシェアーズ・コア日経225ETF」が新たにランクイン(15位)したことを除けば、若干の順位変動があっただけで上位の顔ぶれは変わらなかった。
特に17位からは買い付け金額が1億円台もしくは億円未満で、失礼ながらどんぐりの背比べ状態である。
今回の集計で3位、4位、14位、23位にランクインした4本を運用するグローバルXジャパン(ETF専門の資産運用会社)に取材した。
同社取締役の松原浩之さんはこう語る。
「3位に入った『グローバルX USテック・トップ20ETF』は個人投資家の間で米国ナスダック市場が人気化していたこともあり、ヒットの予感はありました。
新NISAでは買えないレバレッジ型のETFを除くと『USテック・トップ20』は当社のETFの年間リターン(2023年)で半導体関連ETFの次に優秀です」
グローバルXの戦略
このETFの組み入れ上位を見ると、1位アップル8.97%、2位テスラ8.70%、3位エヌビディア8.05%といった具合。強い銘柄をがっつり組み入れている。
このETFは「上場投信という形で個別株20銘柄に投資している」と考えたほうがいい。
グローバルXジャパンは、商品を組成するスピードが速い。
これから来るテーマを見越して設定しておき、個人投資家が「こういう商品が欲しい」と思ったとき一気に残高を伸ばす。
巨大運用会社と肩を並べて日経平均やS&P500のETFで勝負するとコスト競争に巻き込まれるため、メジャーな指数のETFとは違う商品を出す。 その戦略は正解のようだ。
同じく東証ETFを運用するシンプレクス・アセット・マネジメント運用本部トレーダーの金賢さんにも今回の東証ETFランキングについて、意見を聞いた。
「驚いたのは、13位に『iFreeETF JPXプライム150』がランクインしていたこと。
『JPXプライム150』はJPX総研が2023年5月から算出している新しい指数で、資本収益性と市場評価という2つの観点で銘柄を選びます。
これが22.6億円も買われているとは。東証ETFに投資している人たちのリテラシーと情報感度の高さがうかがえます」