本連載の書籍化第5弾!『鴻上尚史のおっとどっこいほがらか人生相談』(朝日新聞出版)

【鴻上さんの答え】

 ミルフィーユさん。大変ですね。毎日、大丈夫ですか?

 あまり眠れてないでしょうね。

 ミルフィーユさんの文章を読んで、一番感じたことは、「すべて独りで抱え込んでいる」ということです。

 ミルフィーユさんは、シングルマザーですか?

 夫のことがまったくでてきませんが、もし、夫がいるなら、不安を夫と共有していますか?

 シングルマザーなら、ミルフィーユさんの親と語り合っていますか?

 親と話せないなら、充分なカウンセリングは受けていますか?

 不安は、独りで抱え込んでいると、どんどん大きくなります。

 周りに頼りましょう。相談しましょう。グチりましょう。

 ミルフィーユさん。ミルフィーユさんに、一番、話して欲しい人がいます。

 それは、障害がある子供の母親や父親です。

 世の中には、障害を持つ子供と共に生活している親がたくさんいます。

 みんな、ミルフィーユさんと同じく、不安で悩んで苦しんだはずです。でも、今、前向きに子育てを続けている人が間違いなくいます。そんな人達に会いませんか?

 ネットで探せば、そういうネットワークは見つかるはずです。会いに行って、「自分の子供が障害児かもしれない」と感じてから何を考え、何を悩み、どうしたかを聞きませんか。

 そして、不安を共有しませんか。

次のページ