6月に76歳の誕生日を迎えた沢田研二
この記事の写真をすべて見る

 18日放送の「今年最も愛された昭和の名曲グランプリ2024」(テレビ朝日系・午後6時30分~)は、2週にわたって「歌姫」「女性アイドル」「男性アーティスト」「俳優&女優」「迫力の歌声」「カラオケソング」など全8部門のランキングを大発表。第一夜の今夜は、小林幸子が親友・八代亜紀の名曲「雨の慕情」カバーを熱唱する。沢田研二、松田聖子、中森明菜、尾崎豊、テレサ・テン…昭和の名曲を、貴重映像で紹介する。ファンを魅了し続ける沢田研二の過去の記事を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2024年9月15日に掲載されたものを再編集したものです。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。

【写真】やっぱりジュリーはかっこいい!(全12枚)

*   *   *

 現在、ライブツアー「甲辰 静かなる岩」を開催中の沢田研二。9月8日の神戸国際会館(神戸市中央区)ライブでの発表が大きな注目を集めている。

 冒頭から『ス・ト・リ・ッ・パ・ー』(1981)、『TOKIO』(1980)、『カサブランカ・ダンディ』(1979)など1970年代、1980年代の大ヒット曲を惜しみなく披露した沢田。クリケットのユニフォームを模した奇抜な衣装でステージ狭しと駆け回るその姿はとても76歳とは思えない。

 沢田のライブでは序盤とアンコール前の2回にわけて数分から10分程度のMCをすることが多い。今回もそのパターンで、1回目のMCでは「今年は暑すぎるので一般の高齢者に混ざり大型商業施設を散歩している」と愚痴めいた近況トークで笑いを誘っていたのだが、ファンたちを動揺させたのは2回目のMC。

「カズさんたちは次のメンバーに入らない」

「来年からまた心機一転、メンバーを一新してあられもなく未知の世界へと飛びこんで参りたいと思います」

「今やってるカズさん(ギター・柴山和彦)たちは次のメンバーには入らない」

 ……来年、ライブツアー「霜柱と蝋梅の森」を開催するにあたり、バックバンドの刷新を宣言したのだ。

「七福神バンド」と呼ばれる現在のバックバンドがお披露目されたのは2022年1月。1980年から40年以上(1985~87年を除く)バックを務める柴山と、同様にバック歴の長いベーシストの依知川伸一を中心とした編成で、重厚なロックサウンドと息の合ったパフォーマンスは一般の音楽ファンからも評価が高かった。それだけに今回の発表には大きなインパクトがある。

 普通、沢田くらいの年代のミュージシャンだと、長年知っている息の合ったメンバーで周りを固めたがるもの。バックバンドと言っても演奏する人によって音作りやフィーリングはそれぞれ。「上手いけど自分とは合わない」ということが往々にして起こりうるのだ。それをあえてやろうというのは沢田の類まれなチャレンジ精神のあらわれに他ならない。

次のページ
気になる新メンバーの顔触れは