独特の世界観が魅力のダウ90000の舞台。8人のメンバーが繰り広げる予想外の展開に、観客は思わず引き込まれてしまう。そこには蓮見さんの細かな工夫もある。
「最初は大学の教室を借りて公演していたので、長い劇ができず、自然とコントのようなお笑いもやるようになりました。僕は基本ツッコミなんですけど、他のメンバーはコントによって役割を変えてます。この人がこれ言ったらおもしろいだろうな、というところから役を考えているんです。みんな役者志望で、その役しかできないと思われると損なので、極力いろいろな演技ができるようにしてきました。不自然さが許されるコント的な演技と、不自然さを極力そぎ落とした演劇的な演技、どちらが求められているかはシーンや監督の好みで分かれるので、両方の引き出しを持っているのは強みだと思います」
昨年末には結成時の目標であった「メンバー全員のバイト卒業」を達成。今年の5月には演劇の聖地・下北沢の本多劇場での公演も予定されている。これからダウ90000が目指す先とは。
「M−1で優勝しようとか演劇界のトップになろうとかではなくて、お笑いのファンと演劇のファンのつながりをもっと深めるきっかけをつくっていけたらと思っています」
(本誌・佐賀旭)
※週刊朝日 2023年1月20日号