14日放送の「ウルトラ里帰り」(TBS系・午後8時50分~)は、芸能人の地元に木村拓哉が一緒に帰省してみるというコンセプトで、実際に現地へ行き、地元の人々との触れ合いやご当地グルメを楽しむ“里帰りバラエティ特番”である。今回は番組のMCでもあり、12月30日(月)公開予定の映画『グランメゾン・パリ』で主演を務める木村拓哉について、特に読まれた記事を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2022年12月14日に掲載されたものの再配信です。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。
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ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「木村拓哉さん」について。
先日、2022年の「新語・流行語大賞」が発表され、今年はヤクルトスワローズの村上宗隆選手の活躍を評した「村神様」が選ばれました。このように折々の世相を反映しながら生まれては消えていく言葉たちの中には、時代を超えて親しまれ続けるフレーズたちも数多く存在します。
谷啓さんの「ガチョーン」、志村けんさんの「アイーン」、ビートたけしさんの「コマネチ」、ダチョウ倶楽部の「ヤー!」、IKKOさんの「どんだけ~」、オードリー春日さんの「トゥース!」などは、アクション(身振り手振り)とともにスタンダード化したギャグたちです。とは言え、これらを今も日常で使う人たち(本人を除く)は少ないでしょう。2022年の社会において突然「ガチョーン!」や「トゥース!」と叫ぶ人に遭遇したら、かなり対応に困ります。愛されてはいるけれど流行っているわけではない、それが「クラシック」というものです。
話は変わりますが、先ほどテレビを見ていたら木村拓哉さんが出演する「スポーツくじ」のCMを目にしました。混み合った町中華の店で、テレビに映るサッカーの試合に一喜一憂しながら炒飯を食べるキムタク。こんな人がいたらサッカーはおろか食事どころではないぐらい相変わらずのイイ男です。やがて応援するチームがシュートを決め、キムタクを含め店内の客が総立ちとなり歓喜するという、ここまではオリンピックやワールドカップ期間中に流れるCMとして、誰でも思いつきそうな展開です。しかし、衝撃はその後にありました。興奮の渦に沸く町中華の店内で、あの木村拓哉が「カズダンス」を踊っているではありませんか。いくらワールドカップだからって、天下のキムタクになんてことを……。