ホフディラン・小宮山雄飛。ミュージシャンの彼が、なぜ「カレー本」なのか。簡単。カレーが大好きだから。
 もともと食べること、料理が大好き。料理にとどまらず、コラム執筆、Tシャツデザイン、ウェブプロデュース、興味を持ったものを仕事につなげていく、ある意味“プロの趣味人”によるレシピ本。
 ハードルをあげず、材料や器具、作り方などはシンプルに。誰でも気軽に、“旨い”カレーが作れる構成。本書のコラムで、“家カレー”と銘打ちながら、家庭でいわゆる「おうちカレー」を食べた経験がないという衝撃。外で食べて「なんだ、このおいしい食べ物は!」と感激した食べ物、それがカレーだったことに再び衝撃。
 シンプルでありながら奥の深いスパイスの海へ、自宅から漕ぎ出すための海図的一冊。

週刊朝日 2016年8月5日号