名前を見ておわかりだと思いますが、すべて「鯱」にちなんだお菓子です。元祖鯱もなか本店は、社名・屋号・商品名のほとんどに「鯱」を冠しているので、いわば店を象徴するようなセット。お求めやすいようなお試し価格(当時1200円)に設定、さらには送料無料にして、ECサイトのトップに大きく載せました。
簡易的な梱包なので贈答用には適していませんが、ホームページを訪れた人がそのまま離脱せず、「まずはどんなものか食べてみたい」と購入画面に進んでもらえるように設計した商品です。一つひとつのお菓子は元からあったものですが、組み合わせを工夫したことで、とても魅力的な入口商品となりました。
多方面へ拡散するSNSの運用開始
次に、デザインと販売導線が整った公式サイトをより多くの方に知ってもらう必要があります。そこで取り組んだのが、各SNSのアカウント開設です。
総務省が発表した『令和6年版 情報通信白書』 によると、日本のSNS利用者数は2023年時点で1億580万人。2028年には1億1360万人にも達すると予測されています。1億以上の人に無料でアプローチできるSNSを使わない選択肢はないでしょう。
まず外せないと考えたのは、Instagramです。
Instagram はアカウントの持っている世界観を作り込むことがカギなので、投稿の方向性を揃えるためにターゲットを20代から40代の女性に設定。
「仕事は医療事務。人間関係のストレスを抱え、仕事帰りに甘いものを求めてお菓子屋に立ち寄る25歳のA子さん」をペルソナとし、常に“A子さんに響くような投稿”という視点を持つように心がけました。
運用担当は、元祖 鯱もなか本店の広報担当であるしなのさんです。基本的には彼女がすべて投稿していますが、詳細なペルソナを定めておくことで、誰が写真を撮っても、誰が投稿しても同じ世界観を維持できるようになります。複数人でInstagramを運用する場合は、特に有効なのではないでしょうか。