自分の代で店を閉めようとはしていましたが、日々誇りと愛情を持って経営していた先代。長年努力してきたこと、お客様に愛される商品がたくさんあることに関しては担当者にまったく見てもらえず、債務超過の数字だけで判断され、価値がない会社であると切り捨てられてしまった。この事実に、先代は相当なショックを受けてしまいました。しばらくふさぎこんでしまい、笑顔がなくなってしまったほどです。
妻や従業員たちの気持ちを盛り上げながら、いつか必ず「鯱もなか」が注目される日が来ることを信じて、さまざまな準備を進めました。
じつは、元祖 鯱もなか本店の復活劇において、感謝してもしきれないほどお世話になったキーパーソンの1人が、Instagram をはじめ「鯱もなか」の広報業務を手伝ってくれている“しなのさん”という女性です。
しなのさんとの出会いは2021年の4月ごろ、僕が運用していたTwitter の不動産アカウントの投稿にコメントをもらったことがきっかけでした。いろいろと話を聞いてみるとさまざまな企業のアシスタント業務をしており、広報業務にも興味があるとのこと。彼女なら、これから「鯱もなか」が仕掛けていくPR活動の力になってくれるに違いない! そう確信し、広報スタッフとして仲間に加わってもらうことにしたのです。
こうして会社員時代にマーケティングを学んだ僕と、企業のサポート経験が豊富なしなのさん、デザイン面の知識と経験がある妻の3人体制で、バズ(SNSなどを介して、消費者のクチコミによって話題となり注目が集まること)がいつ起こってもいいように、販売プロセスについて綿密に設計していきました。
ただ商品が売れるようにするだけではなく、バズという消費者の拡散力をもって「鯱もなか」の名を一気に広めていくことを目標に掲げたのです。
売上の礎となるECサイト構築
はじめにテコ入れしたのが、オンライン販売の強化です。