【トゥモロー・ネット取締役 CPO】 AIプラットフォーム本部 本部長:澁谷 毅さん(しぶや・たけし)/1970年生まれ。大学卒業後、2006年から官公庁のコールセンターの構築に携わる。09年、ヤマトコンタクトサービス入社。ICT戦略部長としてAIをはじめとしたDX推進の企画・開発後、22年から現職(写真:篠塚ようこ)
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 全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA2024年12月2日号にはトゥモロー・ネット 取締役 CPO AIプラットフォーム本部 本部長 澁谷毅さんが登場した。

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 サービスや商品を提供する企業の多くがコールセンターを設置しているが、人口減少による労働力確保の壁は高くなる一方だ。

 その問題を解決するため、AIを活用した自動化システム「CAT.AI(キャット エーアイ)」を生み出した。

 ボイスボットとチャットボットの組み合わせや、生成AIと連携した技術で、お客からの電話対応時に必要な受け答えを自動で正確に行うことができる。コールセンターでは欠かせない氏名や住所など、これまで難しかった数字や建物名まで、精度の高い音声認識で正しく情報収集することも可能だ。

 さらに、AIでは難しい対応は、これまで電話オペレーターに切り替えるしかなかったが、有人チャットに回すことにより、オペレーターの人員確保と業務効率の向上を期待できる。

 このサービスはAIが業務の平均8割を担う。「理論上、これまで100人で電話対応していたものを、20人に減らすことができます」

 長年、コールセンター業務の効率化の構築を担当してきた。前職では、培ってきた経験を集約した、チャットボットやボイスボットを活用した業務改善化に最適な技術開発を行っていた。しかし、色々な人に話を聞いても現在のAI技術では難しく、理想を実現するには長い時間がかかると、半ば諦めていた。

 そんな時に出合ったトゥモロー・ネットの技術ならば、構想の実現が可能だと確信した。しかし、高い技術はあれど、顧客が真に求める商品は作れていなかった。ニーズを技術者に的確に伝えながら、共に開発をする専門の人さえいれば商品化ができる、それを担うのは自分しかいないと、転職を決意した。

 コールセンターの需要は増え続け、1兆3千億円市場だ。

 2022年、技術を確立し、サービスを販売開始。今ではガス会社や損害保険業界、メーカーなど、続々と導入を開始している。

「人とAIの未来をデザインしたいんです」

 無人レジは便利だが、業務を簡略化させただけで、コミュニケーションがない。テレビのリモコンを押すと、遠方にいる子どもや孫たちとテレビ越しに気軽に会話ができるような、AIで豊かな社会を創り出していきたいと話す。(ライター・米澤伸子)

AERA 2024年12月2日号

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