坂本:顔合わせのとき、考えてきてくれるかなと思っていたんですが、「できないです」と言われて(笑)。
河合:難しいんですよ、坂本さん(のマネ)。この舞台の期間に、いろんな姿を見て、作り上げていきたいなと思っています。
坂本:今回の舞台で披露することはないと思いますが(笑)、いつか見せてくれることを楽しみに待ちたいと思います。
──今回、坂本さんが主演し、河合さんも出演される舞台「Oslo(オスロ)」は、トニー賞をはじめさまざまな受賞歴のある作品の日本版初演で、イスラエルとパレスチナが和平交渉に合意した1993年の「オスロ合意」を描いた作品です。
坂本:「オスロ合意」という言葉は知っていても、詳細はご存じではない方もいるかとは思います。はじめはどこから取り組んでいけばいいのか、と思うこともありました。日本人にとっては身近な題材ではないかもしれませんが、人間が国をも動かす力強さを描く人間ドラマとして楽しんでいただけるのではないかと思っています。
河合:僕自身、硬く難しい話だと思っていたのですが、台本を読んでみたら、人間ぽい部分の描き方などで、わかりやすく楽しめるように感じます。
──「中東に和平を。少年同士がこんなことをしないで済むところへ」という言葉も印象的です。
坂本:平和というものには、それぞれのとらえ方があると思います。今、コロナ禍の中でこうして僕たちが作品を上演できるということも、平和の象徴のひとつの形。本当の平和というものはどういうものなのかということを、作品を通してあらためて考えています。
河合:どの時代にも戦争や紛争があり、今は新型コロナウイルスという目に見えない敵と世界中が戦っています。そんななかで大小問わず、平和というものについて考え、そこを目指して進んでいかないといけない。それは、これまで僕たちが出演してきたジャニー(喜多川)さんの舞台から学んだことでもあります。今いる僕たちが舞台や映像作品を通してこれからの世代にもしっかり残していかないと、と感じています。