物価高が続き、給料も上がらず、なんとなく生活が苦しい時代。長生きリスクが心配でこの先、お金に困らない生活を送るには……。お金に関する「教えて!」を解決する短期連載。第3回のテーマは「銀行とどう付き合えばいいのか」。元メガバンク支店長でお金の専門家・菅井敏之さんに、バブル時代に青春を謳歌した筆者、バブ子(バブル女子)が聞きます。教えて、菅井さん!
――前回、銀行との正しい付き合い方でお金を借りられるという話を聞いて、さっそく地元の金融機関に口座をつくりました。人生後半戦、家を売ったり買ったりするということが、必ずあると思うので、少し安心した気分です。
「この物件ステキ!」
菅井:それは良かったですね。銀行は「返済率35%(収入の35%)」まで貸してくれます。でも私は自分で返すことができる金額は年収の20%くらいまでと考えています。年収が600万円の人であれば、120万円ぐらいまで。ローンの支払い額を低く抑えるために最初に年収の20%の借り入れと決めておけば、購入できる物件の価格が自動的に決まりますよね。年収500万円なら住宅ローンの支払いは年間100万円。毎月でいえば8万3000円。仮に住宅ローン(35年)の金利 が1%だとすると、だいたい3000万円の物件になります。これに預貯金で頭金を用意できる人はその額をプラスした物件が購入できるというワケです。このように金額を定めてから物件を探せばいいのですが、多くの人が物件を先に見て「この物件ステキ! 予算以上だけど買うわ」となってしまいます。これが悲劇の始まりです。
――わかりますが、ハマります(笑)。
菅井:「お金を借りることができる」と「お金を返すことができる」はまったく違います。借りられる額を聞いて、自分がその額を返せると思うのがキケン。身の丈以上の物件を購入し、ドツボにハマってしまいます。