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撮影ログを取るための最強ツール

 完全防水のコンパクトデジカメでおなじみのTシリーズに加わったのはオリンパス初のアクションカムだ。最長29分の動画撮影に特化しており、対角線画角204度の超広角レンズに電子式の5軸手ブレ補正、LEDライトの内蔵、単体で水深30mまでの水中撮影など、今夏のマリンレジャーにコイツがあれば楽しい動画がたくさん残せるはずだ。一方、静止画撮影モードは縦横比16対9固定で露出は全自動。画質設定および露出補正とインターバル撮影の間隔くらいしか設定できない。
 防水強化のために少ないボタンに複数の機能設定を兼用させているので操作性もお世辞にもよいとはいえないが、アクションカムはスイッチを入れて撮りっぱなしが基本なので、それで十分なのだ。
 しかし、スチール写真のユーザーには、位置情報(GPS/GLONASS/QZSSに対応)や気圧、温度、方位センサーのログ機能に利用価値がありそうだ。フル充電でカメラ機能をオンにしなければ丸2日分のログを記録できるという。ネイチャー系や山岳撮影はもちろん、知らない街を撮り歩く時に携行すれば地図上で自分の足跡を正確にたどれる。必要に応じてカメラ機能をオンにして超ワイドレンズで現場の状況を記録する使い方である。ログはとりたいがカメラやスマートフォンのメモリーやバッテリーを消耗するのは嫌という人にはお勧めだ。

[左]色は黒と緑の2色。デザイン的にはT(Tough)シリーズよりも、タフネス機らしさを強調している[右]1.5型の液晶は90度引き起こせるが上下チルトは不可。ライブビューは簡単な構図確認と割り切ったほうがよい。コンパスや高度計代わりに使える。再生も本体でするより無線LANで接続したスマートフォン/タブレットやパソコンで見たほうが快適
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[左]色は黒と緑の2色。デザイン的にはT(Tough)シリーズよりも、タフネス機らしさを強調している
[右]1.5型の液晶は90度引き起こせるが上下チルトは不可。ライブビューは簡単な構図確認と割り切ったほうがよい。コンパスや高度計代わりに使える。再生も本体でするより無線LANで接続したスマートフォン/タブレットやパソコンで見たほうが快適
レンズ上にあるLEDライトは2段階の光量調節が可能だ。ただし、付属のステディグリップをつけると、カメラを固定する角度によっては、近未来の銃のようでもある。銃社会の国では誤解を招きかねないので、海外で使うときは気をつけたい
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レンズ上にあるLEDライトは2段階の光量調節が可能だ。ただし、付属のステディグリップをつけると、カメラを固定する角度によっては、近未来の銃のようでもある。銃社会の国では誤解を招きかねないので、海外で使うときは気をつけたい
グリップを装着し、徒歩移動時に0.5秒間隔のインターバル撮影をしながらスナップを撮り歩いた。10分も歩けば画像ファイル数は1200枚にもなるが、必要なカットを残して捨てればよい。長時間撮影で、決定的瞬間を狙うというのでなければ、4K動画(1秒間に30コマ)を切り出すより楽だ●AE(絞りf2.0・2000分の1秒・+0.7補正)・ISO100・AWB・JPEG・インターバル撮影
グリップを装着し、徒歩移動時に0.5秒間隔のインターバル撮影をしながらスナップを撮り歩いた。10分も歩けば画像ファイル数は1200枚にもなるが、必要なカットを残して捨てればよい。長時間撮影で、決定的瞬間を狙うというのでなければ、4K動画(1秒間に30コマ)を切り出すより楽だ●AE(絞りf2.0・2000分の1秒・+0.7補正)・ISO100・AWB・JPEG・インターバル撮影

◆宇佐見 健

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●レンズ・F値:7群7枚(非球面レンズ5枚)。1.58mm(35mm判換算13.9mm)F2.0●最短撮影(レンズ先端から):0.2m●撮像素子:有効720万画素。1/2.3型CMOS●液晶モニター:1.5型 約11.5万ドット●シャッター:1/2万4000~1/2秒●撮像感度:標準出力感度。ISO100~1600●動画撮影機能:3840×2160/30p、1920×1080/60p/30p、720×480/240p/120p/60p/30p、480×360/240p/120p/60p/30p●記録媒体:microSDカード(microSDHC/microSDXC対応)●通信機能:IEEE802.11b/g/n●大きさ・重さ:35.0×56.5×93.2mm・180g●価格:オープン(4万8600円)