「甲斐、大山の両方、あるいはどちらか1人の選手の獲得に成功するケースが考えられます。その時は相手球団の戦力構成を確認した上で、プロテクト枠に入れる選手の陣容が変わってくる。28人の枠に入る当落線上は小林のほかに、長野久義、中川皓太、畠世周、大江竜聖あたりでしょうか。ただ、長野の場合は史上初の2度目の人的補償での移籍となりかねないことを考慮しなければいけない。ファンから愛されている選手なので、どう判断するか。オコエ瑠偉、秋広優人も確定とは言えない。秋広に関してはチームの将来を背負う選手として嘱望されていますが、打撃フォームで試行錯誤を繰り返して伸び悩んでいる。プロテクトの28人に絶対入るとは言い切れません」(前出のスポーツ紙記者)
人的補償の移籍で花開いた選手も
マイナスに考えられがちな人的補償だが、人的補償の移籍を機に、素質を開花させた選手もいる。22年のオフに、日本ハムからソフトバンクにFA移籍した近藤健介の人的補償として、田中正義が日本ハムに移籍した。田中はソフトバンクに在籍した6年間で1軍未勝利だったが、日本ハムに移籍した23年は新庄剛志監督のもと、47試合登板で2勝3敗25セーブ8ホールドと覚醒した。今季も抑えやセットアッパーを任され、53試合登板で4勝4敗20セーブ12ホールド、防御率2.17とブルペン陣を支えた。
甲斐、大山がもしFAで他球団に移籍するのであれば、獲得球団の人的補償にも注目したい。
(今川秀悟)