米粉のブルーベリータルト。米粉のタルト生地はほろほろとした食感に焼き上がるので、ジューシーな果物と合わせると美味
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 家でケーキやクッキーを作るとき、砂糖やバターの多さに驚いた経験はないだろうか。カロリーや糖質が気になって、スイーツを我慢している人も多いはずだ。お菓子研究家の本間節子さんも、そんなことを考えていた1人。長い間、「体にやさしいお菓子」は気になるテーマだったという。

 その本間さんが10月に、ずばり『体にやさしいお菓子』というタイトルのレシピ本を出版した。米粉、米油、大豆製品、甘酒などを程よくとり入れ、白砂糖ではなく、精製度が低い砂糖を使って動物性脂肪を減らしたり、グルテンを控えたり。手持ちのレシピの配合を工夫して試作を重ね、たどりついたものだ。

 目指したのは、無理なく作れて、毎日食べたくなるお菓子。そして、食べたあとも罪悪感を感じずに体にすっとなじむお菓子。クッキーやドーナツも、ケーキもひんやり冷たいスイーツも、本間さんのレシピなら心行くまで味わえる。

 具体的なレシピは本をご覧いただくとして、ここでは本間さんが「体にやさしい」を実現するためにどんな工夫をしたのか、本から引用する形で紹介したい。どんな人のお菓子作りにも、応用できる考え方だ。

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豆腐ドーナツ。ふんわりドーナツが食べたいときは、薄力粉に絹ごし豆腐を加えます。表面にきび砂糖をつけても

 お菓子作りの好きな方には、クッキー、スコーン、ドーナツなど、粉の割合が多いお菓子が好きな方が多いのではないかと思います。もちろん私も、粉のお菓子は作るのも食べるのも大好き。でもおいしいからといって食べ過ぎてしまうと、食べたあとでおなかが張ったり、眠くなってしまうことも……。

 そんな粉もののおやつを体にやさしく作るなら、粉の一部をオートミール、全粒粉、豆腐やおから、ナッツ、米粉などに置きかえてみるのがおすすめです。オートミールはGI値が低くて糖質控えめ、食物繊維もたっぷり。豆腐はなめらかな絹ごし豆腐がおすすめです。米粉を使えばグルテンフリーのお菓子になります。粒子が細かい製菓用のものがいいでしょう。

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外ではなかなか出合えない