先日香港のお客さまとお話していた時。「なんでこんなにいっぱいハンカチばっかり。香港の人はハンカチ使わないよ!」というお話をいただきました。ちょっとしたことだけど、同じような容姿の国の方が、違う文化を持っているということは、すごく刺激的、すごく楽しいことです。
売上の傾向も違っています。海外の方に南部鉄瓶が良く売れる! という話はよく耳にされると思いますが、南部鉄瓶はそもそも国内で出回る在庫がすごく少ないので、今回お知らせします日本百貨店「海外からのお客さま売上ランキング」には入ってきません。
ではランキングを発表します!
まずは第3位! ででん。
「だるま」「こけし」など、民芸人形です。
こけしは日本の方にも人気で、我々も常時在庫薄ではありますが、私個人も好きなもので、なるべくたくさん見つけては、仕入れています。並べても並べてもなくなっちゃう。お客さまがこけしの顔を一つ一つ眺めて、自分に合ったものを探される姿は、こけしよりも愛らしい。そんな姿をみますと、もっともっと頑張って探してこないとと、身が引き締まります。
つづいて第2位! じゃかじゃん!
錫器・銅器などの金属の器です。
錫(すず)は飲み物がまろやかになり、たとえば日本酒など、まったく違う味になります。銅であれば、冷たいものがずっと冷たい。アイスコーヒーなんかを入れると最高です。ですがそのような細かいことをご存じなくても、その立ち姿に一目ぼれして買われていくお客さまが多いです。日本百貨店で扱っているものは値段的にも手ごろなものが多く、お土産需要でもよく動きます。日本人にも人気の商品です。
そして第1位! こちらも金属!
チタンのお箸です。
チタンはご存知の通り固い素材で、加工が非常に難しい。本コラム第9回・第10回でも掲載いたしました眼鏡の産地・鯖江では、眼鏡の材料としてチタンを用いていることから、その加工技術には定評があり、眼鏡の需要が減る中で、その技術を活かして、歯のインプラントに用いられる医療器具など様々なチタン製品を生み出しています。抗菌性や洗いやすさ、また変色などもなく、長く使い続けることができます。
こちらは正直に申し上げて、どうしてそんなに売れるのかわからないのですが、チタンであることを説明すると、細かい説明をしないでも買われていかれます。特に欧米の方々。日本に住んでいる我々よりもチタンというものに対する理解があるのでしょうか。日本の方だとじっくりと説明して、悩んでまた戻ってこられてお買い上げになる、というようなケースが多いので、即お買い求めになる海外の方々が多いのは驚きです。
日本製の雑貨と言いますと、我々は紙小物や布ものを一番に思い浮かべるのですが、海外の方にとっての「MADE IN JAPAN」は、それこそもう少しCOOLな、技術や先端素材の組み合わされたものなのかもしれませんね。
海外からのお客さまに対しては、自分たちの思い込みで、日本製はこれがいいんだよ! と押しつけるのではなくて、いろいろなお話を伺って、文化の違いなんかにも触れながら、日本のイイモノをご紹介できるとうれしいなと思っています。