最近の傾向としては、ライトノベルの影響か、タイトルは長くなる傾向があると分析する。
「“ラノベ”はタイトルで状況や設定、コンセプトを説明する本が多く、ラノベに慣れた読者層が本を選ぶとき、そういうタイトルに惹かれるんだと思います」
「状況設定」の例として『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉)をあげる。このタイトルには「やられた!」と感じたそうだ。
いずれの時代も社会の影響を受けているのは事実。昔流行った言葉をもう一度リバイバルして使ったり、本以外のヒットした商品の名をもじったりと本のタイトルも時代を映す鏡と土井さんは分析する。
「時代を捉えてベストセラーになる本もあれば、時代を超えてベストセラーになる本もあります。タイトルだけを見ても、時代を感じることができて、楽しいですね。もちろん、中身を読むと、もっと豊かな生活を送れることは間違いないでしょうね」
(ライター・鮎川哲也)
※AERA 2024年11月11日号より抜粋