「2004年8月末を100として、20年間の値動きを検証しました。一番成績がよかったのはナスダック100で22.7倍。次が米国トップ10で11.7倍で、S&P500は10.1倍でした」
米国トップ10が主役の検証なのにナスダック100がすごすぎる。
「S&P500と米国トップ10の差が思ったほど大きくなかった点が興味深い。ただ、期間の切り取り方により結果はズレるでしょう。
といってもナスダック100が直近20年では米国トップ10、S&P500よりずばぬけてよかった点は揺るがないと思います」
もし新NISAでS&P500に加えて「ちょい買い」をするなら、ナスダック100のほうが夢があるかもしれない––––。
20年間の勝率
「試算する期間を直近10年ぐらいに絞ると、GAFAMやエヌビディアの株価の調子が強烈によかった時期なので、米国トップ10の成績はもう少し上がります。
逆に言えば10銘柄の集中投資というのは相場環境次第で極端に悪化するケースもあるということです。
それだけのリスクを取って、S&P500が20年で10.1倍、米国トップ10が11.7倍。この程度の差ならS&P500でいいのではないか、というのが私の意見です」
どれだけのリスクを取って、リターンを得たかを示す「リターン÷リスク」は、20年間の年間平均で米国トップ10が0.60、S&P500は0.59とほぼ変わらない。10銘柄への集中投資というリスクを取った結果のリターンと考えれば微妙な気もする。
「ナスダック100の『リターン÷リスク』は0.67で、リスクに対するリターンが他の2つより高い。より山っ気を出して(笑)勝負したい人はナスダック100のほうがいいかもしれません」
小松原さんは米国トップ10とS&P500、ナスダック100の年ごとの勝率表も出してくれた。20年間、つまり20回の勝負で米国トップ10(毎年6月末の米国株の時価総額上位10銘柄)は、対S&P500で10勝10敗。対ナスダック100では7勝13敗だった。
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