オルカンは犯人か?
新NISAで人気の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(以下、オルカン)による円安圧力をにおわせた報道もあった。
オルカンの2024年1〜8月の純流入額は1兆7190億円。同シリーズの「米国株式(S&P500)」は1兆3430億円。先の外貨建て投信全体への純流入額9兆6000億円のうち、2本合計で3兆円程度を占めているにすぎない。
投資信託たった2本で外貨建て投信全体の3割ということ自体は大きいが、巨大な為替市場を動かすほどの影響力は持たない。
結論。新NISAも、オルカンも、円安・物価高の犯人ではない。
取材・文/安住拓哉、中島晶子(AERA編集部)
編集/綾小路麗香、伊藤忍
『AERA Money 2024秋冬号』から抜粋