「イクメン」に代表されるように男性の家事参加は進んできたが、日本では男性が40年以上働き続けることで会社や家計が成り立つ前提は変わらない。低成長の時代にも男はかつての「男」の姿を演じ続けなければいけないのか。男性が抱える感情の矛盾を社会構造とつなげて考えた一冊だ。
「無職って恥ずかしくないんですか」「低収入の男性は結婚できないって本当ですか」「世の中、間違っていますよね」。就職や結婚、社会問題まで、多くの素朴な質問に答える形で本書は進む。
「常識」にのみ込まれずに、自分の頭で考え続けることが重要だと著者は訴える。「常識」が常識である根拠は意外にも脆い。
 なぜ日本の男は生きづらいのか。社会は変われるのか。若い会社員や子供を持つ中高年は必読の一冊だ。

週刊朝日 2016年6月24日号