テニスの四大大会、全仏オープンで、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)が初優勝を果たし、キャリアを通じて四大大会すべてを制する「生涯グランドスラム」を達成しました。



 現在のテニス界で絶対王者の地位を確立しているジョコビッチ選手ですが、若いころは、試合中に呼吸困難で倒れたり、吐き気をもよおすなど、突然の体調不良に襲われることも多く、伸び悩んでいた時期もありました。また、彼は2010年が"プロ生活で最低の瞬間"だったと自身の著書『ジョコビッチの生まれ変わる食事』の中で綴っています。



「私にとって、プロ生活で最低の瞬間が、2010年1月27日のあのダブルフォルトだった。しかし、2011年7月までに──あれからわずか18カ月後である──私はまったくの別人になっていた。体重が約5キロ落ち、かつてなく強靭になり、子供時代から振り返っても1番の健康体になった。そして、生涯の目標だった2つのゴールに到達した。ウィンブルドン優勝と世界ランキング1位だ」



 ジョコビッチ選手は、"あること"に注意したことで、わずか18ヶ月の間に、「私をただの『そこそこ良い選手』から『世界最高の選手』に生まれ変わらせた」と告白します。そのあることとは食事。



「私の無駄な体重を落とし、集中力を高め、生まれてこのかた最高の健康状態を作り出してくれたのは新しいラケットでも、新しい練習でも、新しいコーチでも、新しいスタイルのサーブでもなかった。それは、新しい食事だった」(同書より)



 食事を変えただけで、なぜそこまでジョコビッチ選手は劇的にパフォーマンスの変化が得られたのか。実は彼の"生い立ち"に起因していることでもありました。



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