キャンパス内の雰囲気や建物の質感、施設の設備や食堂の味などは現地に行かなければわからない。五感を通じて大学を知ることで、高校生たちの大学の志望度がより明確に更新されていったようだ。
「経営学を学びたかったことに気づいた」
オープンキャンパスは時に、今までの考えを変えるきっかけになることもある。
「オープンキャンパスに行って、志望大学に実際に足を運び、模擬授業や相談会を通して大学の雰囲気を知ることは大切だと思った。そして、勉強に対するモチベーションを上げることにも繋がると感じた」(青山学院大学)
「オープンキャンパスで漠然と考えていた経済学の授業を受け、私は二時間以上かけて来たこの場所でその考えを改めた。実際受けた授業と、自分が学んでみたいと思っていたことに差があると気づき大学の先生に相談をした。その結果、私は経営学を学びたかったということに気づいた。客観的に見て、経済学と経営学なんて対して変わらないというイメージがあった。しかし、もし、ただのイメージでその学部に入っていたら——。やはり学部のミスマッチを避けるためにもオープンキャンパスに行くことは大切なのだと感じた」(高崎経済大学)
これだけインターネットが発達しているなかでも、オープンキャンパスが持つ役割はまだまだ大きい。
いや、むしろ今このような時代だからこそ必要なのではないか。「オープンキャンパス」という名前なのだから高校生以外にも対象を広げれば、市井の人々が大学の価値を再認識する場としても機能するのではないか——などと想像が膨らんでしまう。
少子化が進行している今の日本社会、オープンキャンパスには無限の可能性があるのではないだろうか。高校生たちの純粋で希望に満ちあふれたオープンキャンパスレポートを読むと、そう思う。
(文・構成=大石純平/取材協力=AERAサポーター高校記者:石川明奈、KIMIGAYO、桑田愛菜、佐藤陽和乃、服部紀伽、渡辺 嵐/協力校:沖縄カトリック高校、静岡県立伊豆伊東高校、捜真女学校高等学部、都立豊島高等学校、成田高等学校、富士見中学高等学校)
※「AERAサポーター高校」プロジェクトは2022年に始まり、これまではAERA本誌や広告企画で紹介した進学や進路の情報を高校へ提供し、教員の皆さんとの情報交換を中心に活動してきました。今年度からサポーター高校の生徒たちにAERAの誌面作りなどにご参加いただく企画をスタートしました。お問い合わせはAERAサポーター高校事務局まで。adv@asahi.com