「春になったら」で元写真部員を演じたのを機に興味を持ち、誕生日にメンバーからプレゼントされた向井康二セレクトのカメラは、「バルセロナから帰ってきたあと? そーんなあ、まあまあ、……充電がいまないです(笑)」[撮影:蜷川実花/hair & make up MAIMI/styling 三島和也(Tatanca)/costume Ayne doppio]
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「托卵」をテーマにした大人の恋愛ドラマ「わたしの宝物」に出演中のSnow Man深澤辰哉。難しい役柄に挑戦する一方、“バラエティ担当”では「いじられキャラ」を確立している。本人の思いは。AERA 2024年10月28日号より。

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「自分が恋愛、しかもちょっと大人の、っていうのは想像していなかった」と語る深澤辰哉。たしかに重いテーマの恋愛ドラマ出演には少々驚かされたが、想像もしなかったというのは意外にも感じられる。

「あ、ないない(笑)。自分のなかで全然見えなかったですもん。『今日からヒットマン』(昨年10月期に出演)みたいに激ふざけか、『春になったら』(1月期に出演)みたいなちょっと人間味のあるものか……、あとはもう一個、医者とか、前にやった刑事(20年「記憶捜査~新宿東署事件ファイル~」)みたいなキャラが入ってる役は、これから先できたらいいなと思ってたけど、ラブだけは想像してなかったですね」

 グループ一の“リアコ”──アイドルなのにリアルに恋してしまう存在の名をほしいままにする深澤の印象は、決して恋愛から遠くはないが、

「いや、でも、それはあくまでも、めちゃめちゃ素がたまたま(笑)、そう言われているだけで、別に自分がリアコだとは思ったことはないから。YouTubeもすっぴんで出ちゃうし、変顔もめっちゃするし、それのどこがリアコっていうの?って感じ。ま、モテるけど(笑)」

「いじられキャラでよかったな、って」

 この、いじってくださいと誘わんばかりの絶妙な受けのやわらかさは、愛される理由のひとつだろう。深澤が現在のような、いわゆる「いじられキャラ」を確立したきっかけが先輩の助言だったというのは知られた話だが、高校時代に伝説ができたほどモテる人気者が三枚目のキャラクターを受け入れるのは、並大抵のことではないと思わせる。

「歌って踊れるって、うちの事務所では当たり前で、必ずやっていくこと。成長してそれぞれキャラクターを、例えば阿部ちゃんだったら頭脳とかね、立てていくなかで、自分のキャラクターがつかめなくて。MCは自分が昔からやってきたことだけど、MCって、キャラではなくて、自分の役割だと思ってて。

 20歳とかだったかな、いじってもらえるようになって。やっぱり最初はね、どう反応していいかわからなくて、ちょっとつらかったけど、いじられることによってお客さんが笑ってくれるの、面白いな、気持ちいいな、と思って。だから、受け入れるというか、自然に、ですね。これが自分のキャラクターで、ここが自分のいやすい場所なのかも、って理解できたから、自然に落とし込めたなっていう。

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