写真はイメージ(GettyImages)
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「背景には、SNSの影響が色濃く存在します」(牛窪さん)

 インスタグラムを見れば、「道具にこだわる派」「お金をかけない派」といった“派閥”もあれば、「#ソロキャンプ」「#おしゃキャン」「#家キャン」など、それぞれのスタイルを示すハッシュタグも無数にある。それぞれが道具やキャンプの工夫、食事、スタイルなどを披露し合い、まさに「見せるキャンプ」を謳歌しているようだ。

「ハッシュタグ文化は、それぞれのコミュニティの中で自然と自慢し合う文化が生まれ、序列ができやすい。人より新しくレアなモノや視点を求める心理が、SNSによって可視化しやすい側面もある」(牛窪さん)

 男女によって、自慢の傾向にも違いがあるという。牛窪さんによれば、男性は“コレクション欲求”が強く、集めたコレクションを見せて「どうだ」と胸を張りたい欲求が強い人が多い。それに対し女性は、「どう工夫するか、どう生かすか」というアイディアで承認欲求が高まりやすい傾向にあるという。

「いくつもの派閥やスタイルが生まれる背景には、ブームの長期化が影響しています。鉄道好きも“撮り鉄”や“乗り鉄”などコミュニティが分かれるように、ブームが長引くと、その楽しみ方が細分化してくる。コミュニティが枝分かれするにつれ、またそのグループごとに序列が生まれる、という流れです」(同)

「キャンプから距離を置いている」という前出のAさんは、離れてから本来のキャンプの楽しみに気づけたという。いわく、「なぜキャンプに行きたいのかという本来の目的に立ち返れた気もする」(A さん)。自分なりの軸に戻れたら、またキャンプを楽しめるようになりそうだ。牛窪さんも、「行動心理学的に見ても、ブームに疲れたら、一度離れてみることで、自分に必要なものかどうかが分かる」という。

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