理系学生の高いポテンシャル
佐々木さんは続けて、こう話す。
「ですので、仮に理系学生の学生時代に打ち込んだことが研究活動ということであれば、その活動をとおしてどのようなチャレンジがあり、どのようなことを学んだのかを深掘りしてお伺いします。理系学生は、好奇心旺盛で、論理的思考力や研究活動をとおして培ったプロジェクトマネジメント能力が高い方が多い印象で、当社の成長を中長期的に支えてくださるようなポテンシャルが大いにあると考えています」
同社の理系の採用比率は毎年3~4割で、エントリーする理系学生の割合もほぼ同じくらいという。今年、内定した神戸大学大学院工学研究科の男性は言う。
「就活を始める前は、商社といえば英語が堪能な社員が世界を舞台にトレーディングする仲介業者というイメージがありました。海外経験が少なく、学生時代に国内での研究に熱中していた自分には、商社は縁のない業界だと考えていました」
研究職で技術を尖らせるよりも…
実際に、商社への入社を決めたことに驚く人も周りにいたという。脱炭素の研究をしてきた彼には、就活を進める中である思いが固まっていた。
「研究職になってひたすら技術を尖らせることが正解なのか。技術を磨く以外に、脱炭素に貢献できる方法があるのではないか、脱炭素ビジネスの一端を担って盛り上げていく方法もあるのではないかと思い、住友商事を選びました。研究でもビジネスでも熱中して取り組むことが大事だと思っています」
(編集部・井上有紀子)
*AERAオンライン限定記事