オヤカク、オヤオリという言葉を聞いたことはありますか。就活用語で、オヤカク=親による内定確認、オヤオリ=親向けの説明会のことを指します。就活が学生優位の売り手市場となるなか、内定辞退を未然に防ぐため企業側が親を“巻き込む”ようになりました。背景には学生が親をいちばんの相談相手とする「お友だち親子」の存在が見え隠れします。令和の就活を通して見えてくる今どきの親子の関係やその課題とは。
【ランキング】2025年卒・大学生の就職人気企業ベスト100はこちら(全12枚)内定後に親に手紙…企業側から親を“巻き込む”今どきの就活
1990年代から2000年代前半にかけ、厳しい雇用環境が続いた就職氷河期。その時代を生き抜いた世代の子世代、つまりZ世代が就活期を迎えています。状況は様変わりし、市場は学生優位の売り手市場へ。そして最近、話題となっているのが「オヤカク」「オヤオリ」です。企業が就活生の親に内定承諾の意向を確認することを「オヤカク」、企業やキャリア支援センターが親向けのオリエンテーションを行うことを「オヤオリ」と言い、保護者参加型の就活が増加傾向にあります。
今春、国立大から都内の大手企業に就職した社会人1年目の男性、Aさん。この企業とは別に東海地方の地元トップ企業からも内定をもらっていました。内定後、地元企業から両親宛てに内定を確認する手紙が届きました。いわゆるオヤカクです。Aさんの母親は言います。
「『ご子息をぜひ我が社に!』と手紙で懇願されました。結局そこは第1志望ではなかったのでお断りしましたが、人手不足なのか必死さが伝わりました」
このように内定辞退や早期退職を食い止めることを目的に、親を巻き込んでの人材確保対策=オヤカク・オヤオリを積極的に展開する企業もあります。ひと昔前の就活なら「親の出番はなし」というのが当たり前でしたが、なぜ企業は親を重視するようになったのでしょうか。
親を頼りにする学生増 就職の情報取得先は過半数が「親」
就活事情に詳しいリクルートマネジメントソリューションズ主任研究員、飯塚彩さんは、「学生が親の助言や情報を頼りにする背景がある」と指摘します。こうした傾向は各種調査からも明らかになっています。
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