アンティーク家具がきれいに見えなかったダイニング/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。 1日は24時間。これはすべての人に平等に与えられている時間です。この時間をどうやって使うかは、人それぞれ。仕事に打ち込む時間が長くなったり、家事をする時間が長くなったり、その人の年齢などによっても変わってくるでしょう。

【魅惑のアフター】生活の中に“片づけの時間”がなかった私が片づけたら、夫婦のケンカが減って充実した毎日になった

case.81  片づけは自分をアップデートする手段 夫・子ども2人・妹/経営者

 24時間の時間配分がある程度固定されてくると、他にやりたいことが出てきてもなかなか生活の中に組み込めないことがあります。今回ご紹介する女性も、仕事に没頭するあまり、片づけをするための時間を取れない生活サイクルでした。

「7年ほど前に独立をした頃から仕事が忙しくなって、片づけに費やす時間も気力もなくなってしまいました。それまでは片づけられていたと思います。仕事中心の生活になったら、家事をするための時間の作り方がわからなくなってしまって……」

 2人の子どもと夫、妹と一緒に暮らしている彼女は、8時頃から19時頃まで仕事をして、夜は家事と育児に追われる毎日。山みたいに積み上がっている洋服の上の方から着替えを取っているような生活でした。

 在宅での仕事が多い夫とは、いつも言い争いやケンカばかり。散らかっている家の中ではリラックスできずに、二人とも常にイライラしていたのです。

「家の中で、どこにもモノをしまっておける場所がなくなってしまって。新年を迎えるタイミングで、『今年こそは!』と片づけを決意したんです」

 ちょうどSNSで家庭力アッププロジェクト®の存在を知ると、「ダメ元でやってみよう」と申し込んで片づけを始めました。

 これまで片づけの本を読んだことはあっても、そこで満足して実際には片づけられませんでした。プロジェクトでは片づけの基準や判断する方法を教わり、自分で一つ一つのモノと向き合って片づけます。

「今まではやり方がわかっていなかったなー、と痛感しました。手放す基準がわかったら、モノを買うことを控えるようになりましたね」

 忙しい毎日の中、隙間時間などを利用してスケジュールを立て、きちんとタスク管理をしながら計画的に片づけを進めます。

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不用品の中で多くて驚いたのは