そんななかでも3月は、古舘伊知郎キャスターの出演が最後ということもあり「報道ステーション」(テレビ朝日)で力作が続いた。特に17日放送の「ノーベル賞経済学者が見た日本」と18日の「独ワイマール憲法の“教訓”」は、独自の視点で深く取材されていたということで月間賞に輝いた。

 また報道番組では、国谷裕子キャスターの「クローズアップ現代」(NHK)の終了を惜しむ声も多かった。

 なお、震災関連の番組については、“屋内退避”の問題に触れた宮崎委員の私評と、福島県浪江町の帰還困難区域「赤宇木」を描いた番組に言及した藤久委員の私評はGALACで見てほしい。

●連続ドラマは1~3月クールの最終回を迎えたので、月間賞の対象になった。

 推薦者が多かったのは、娯楽性と芸術性が見事に融合された異色の時代劇「ちかえもん」(NHK)と、東京と地方、若年の貧困など社会的なテーマを盛り込みつつもリアリティのある恋愛ドラマに仕上がった「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ)の2本で両作とも月間賞に輝いた。高視聴率を稼いで終了した連続テレビ小説「あさが来た」(NHK)も評価が高かったが、残念ながら一歩及ばず。

 3月は改編期ということもあり単発のスペシャルドラマも多かったが、議論に上がった作品は1本もなかった。

●バラエティ番組からはTVアニメ「おそ松さん」(テレビ東京)が月間賞を受賞した。アニメというフォーマットを借りながらも、娯楽作品としての遊び心がふんだんに盛り込まれ、そのチャンレンジ精神が高く評価された。なお、アニメ番組が月間賞に選出されるのは極めて異例のことだ。 (滝野俊一)

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