イザボー・レヴィト(ロイター/アフロ)
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 2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪のプレシーズンとなる今季、フィギュアスケート女子シングルは、世界選手権3連覇中の坂本花織を中心に展開するだろう。ただ、海外にも実力と個性を持つ女子スケーターが存在する。

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 昨季世界選手権で坂本に次ぐ2位に入ったのは、名スケーターを輩出してきたアメリカ女子の歴史を受け継ぐイザボー・レヴィトである。バレエの素養を生かした優雅な演技が持ち味で、華奢な体からにじみ出る芯の強さも魅力だ。2022年世界ジュニア選手権金メダリストである17歳のレヴィトは、2022-23シーズンにシニアデビュー。2022年グランプリファイナルで2位に入り、頭角を現した。

 昨季のグランプリファイナルでは、ショートでの出遅れが響いて5位だった。その後ショートのプログラムを、美しい旋律が伸びやかなスケーティングにマッチする『Nella Fantasia』に変更。世界選手権ではショート2位と好発進し、フリーも2位で銀メダルを獲得した。

 レヴィトは坂本に憧れており、2位に入った2022年スケートアメリカでは、優勝した坂本とのセルフィー撮影を果たしている。シニア2シーズン目で世界選手権銀メダリストとなったレヴィトが、今季どんな成長をみせるか楽しみにしたい。

 24歳のルナ・ヘンドリックス(ベルギー)は、坂本と好敵手として世界の大舞台で切磋琢磨してきた。恵まれた体躯から繰り出すスケールの大きなジャンプと推進力のあるスケーティングを持つ、力強いスケーターだ。

 元選手の兄に師事するヘンドリックスは、ベルギーの歴史を作り続けている。グランプリファイナルでは2022年に銅メダル、2023年に銀メダルを獲得。世界選手権では2022年に銀メダリスト、2023年に銅メダリストになった。昨季は、欧州選手権で初優勝を成し遂げている。その背中を追うように母国の後進も育っており、17歳のニーナ・ピンザローネ(ベルギー)は昨季の欧州選手権で銅メダルを獲得、ヘンドリックスと並んで表彰台に立った。

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韓国にも飛躍が期待されるスケーター