かつて日本の芸能界、音楽シーンの頂点に君臨し、今もミュージシャンとして伝説級の地位を築く沢田。彼がこうも長く活躍を続けられるのは”変わらないために変わり続ける”ことをしてきたからだと思う。ファッションや容貌は流行や加齢により大きく変化してきた。
ひところはテレビの寵児(ちょうじ)と呼ばれたが、現在はほとんど出演拒否の状態。今また慣れ親しんだメンバーと別れ、新たなバックバンドを作るという。しかし、出来得る限り新曲を作り、ファンの前に立って歌い続けるという本分は一切揺らいでいないのだ。
今見てもカッコいい昭和の歌手
新バンドのメンバーは、現バンドからはただ一人引き続き参加する斎藤有太(キーボード)をはじめ、富倉安生(ベース)、長田進(ギター)、真壁陽平(ギター)、フジイケンジ(ギター) 、古田たかし(ドラム)といった顔ぶれ。40代から70代と年代は広いがいずれもポップスシーン、ロックシーンで実績のある実力派ぞろいだ。特に富倉はグループサウンズ出身で沢田と共通する要素が多く、1990年代に短期間だが沢田のバックを務めたこともある。おそらく、新バンドで中心的な役割を果たしてゆくのではないだろうか。
8月31日放送の『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日)で平均15歳の出演者たちから“令和の今見てもカッコいい昭和の歌手”として4位(男性では1位)に選ばれた沢田。折からの昭和歌謡ブームもあいまって、まだまだ世間は彼をほうっておかないだろう。来年、77歳の喜寿を迎えるジュリーの新境地に期待したい。
(中将タカノリ)