このように精力的に行動するお二人の姿は、これまであまり報じられることがなかった。代替わり前、秋篠宮家は筆頭宮家としてほぼ休みなく国内外をめぐり、皇室いち多忙とされたが、報道量は多くはなかった。

 代替わりで「皇嗣」となることが決まってから、外国訪問に同行する報道陣が増え、今回は宮内記者会に所属する12社が同行。現地での活動は、日本でも写真や映像と共に伝えられた。

 皇嗣となり、海外への出発前に宮内庁幹部らからあいさつを受ける場所も、赤坂御用地内にある赤坂東邸に変わった。代替わり前は、空港のターミナルビルだったが、三権の長の代表など見送りの人が増えたため、場所を新たに設けた。

 現地メディアも秋篠宮さまを「今上天皇の弟」と紹介し、動静を報道。行く先々でも大きな歓迎を受けた。

 ワルシャワから80キロほど西に位置する都市、ウォビチの市庁舎に着いた際も、沿道に集まった人たちの拍手で迎えられた。ウォビチは、色鮮やかな色紙の切り絵で知られる。18世紀、ポーランドの農家が羊の皮をカーテンの代わりに裁縫したことがきっかけとされ、今も切り絵は羊毛ばさみを使って作られる。ウォビチ市長は「皇室の訪問は今回が初めて。訪問地の一つとして、我々の地が選ばれたことを大変うれしく思います」とあいさつした。

(朝日新聞記者・長谷文)

AERA 2019年7月15日号より抜粋

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