私たちの人生、いつ何時どんな危険に遭遇するかわかりません。最悪の場合、命にかかわるような事態に陥ることだってありえます。そんな「もしも」のときのサバイバル術を各分野のプロフェッショナル完全監修のもと解説するのが書籍『もしもコピー機にネクタイが巻き込まれたら』です。実はこちら、全米で1000万部突破のベストセラーだという「究極のサバイバルシリーズ」の第4弾。「シリーズで一番実用性が高そうな1冊」との触れ込みだけあり、自宅や職場、恋愛がらみの危機的状況がこれでもかと詰め込まれています。
たとえばタイトルにもある、「もしもコピー機にネクタイが巻き込まれたら」。なんとこれには7つもの対処法が紹介されています。そのときの状況にもよりますが、大きく分けるとまずは「電源を切る」か「ネクタイを切る」か「助けを呼ぶ」の3択。それぞれ効果的な方法があり、同書で詳しく記されています。助けも来ない、刃物も近くにない場合は、「給紙トレーを解体する」という方法も。
「給紙トレーは、コピー機の上部に簡素に取りつけられていることが多いです。ヒンジを外せば、カパッと楽に取り外せるはずです」(同書より)
一見、どれも当たり前の方法に思えますが、人は非常事態ではパニック状態になってしまうもの。これらの知識は頭の片隅に入れておきたいですね。
さて、長い人生では「もしも戦車を操縦することになったら」なんてアクション映画の主人公ばりの状況がおとずれることだってありうるかも......! そんなときのためにも同書は参考になります。戦車の乗り方、座り方に始まり、車内の機器や操縦方法の説明、さらには走行中の注意点などにいたるまで丁寧に解説。「戦車のエンジンは爆音なので耳栓かイヤホンを着用する」「エンジンから臭気が漂ってきて吐き気をもよおす可能性があるので、戦車に乗る予定がある日は直前の食事は避ける」といった、素人では気づかないプロならではの助言もありがたい限りです。
普段の生活にはありえないトンデモなケースばかりかと思いきや、日常で使える実用的なハウツーも。「もしもロープを結ぶことになったら」では「8の字結び」や「もやい結び」など5つの結び方が紹介されていますし、「もしも銃やナイフで傷を負ったら」では応急処置の仕方などが細かく解説されています。これらは事件や事故、災害などに遭ったときに役立つこと間違いなしです。
ほかにも「もしも我が子の鼻に紙が詰まったら」「もしもビーチからオンライン会議に参加することになったら」「もしも差し入れの最後のドーナツを勝ち取りたくなったら」「もしもリスを調理することになったら」など、数多くのシチュエーションと対処法が記された同書。「リスクマネジメント」なる言葉も重視される現代、同書であらゆる危険に備えておいて損はないでしょう。
[文・鷺ノ宮やよい]