精神科医Tomyさん
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 会議やスピーチの場で突然話を振られて、頭が真っ白になった経験はないだろうか。特に内向型の人の中には、大勢の前で話すことに苦手意識を持つ人も多いのでは?

「アドリブが苦手な人であっても、2つの工夫によって対応することが可能」と語るのは、精神科医Tomy氏。新刊『「内向的な人」の幸福戦略』の中で、“アドリブ対策”を解説している。同書から一部抜粋して解説する。

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Q:アドリブが苦手です。会議やスピーチの場で、不意に話を振られると頭が真っ白になります。

精神科医Tomy:人間どんなことでも向き・不向きがありますから、多少は仕方のない面もあると思います。しかし、アドリブが苦手な人であっても、「ちょっとした工夫」によって対応することも可能です。

 その工夫は大きく2つ。一つは「シナリオ」を多く用意しておくこと。もう一つはおしゃべりする要領で答えることです。

 まず一つめから説明していきましょう。「シナリオ」とは何かというと、「こういう風に質問されたらこう答えよう」と予めイメージしておくことです。

 アナタがアドリブが苦手なのは、決められたことしか心づもりがないからです。予想もしていない話を振られるから動揺するわけです。だったら、いろんな予想を前もってしておけば良い。なるべく多くのパターンを作っておくとなお良いでしょう。

 そんな多くの準備はできないと思われるかもしれませんが、アドリブ用のシナリオは、そんなにしっかり作らなくても大丈夫です。聞くほうもアドリブゆえにスピーチのような返事は期待していません。

 就職活動の面接について想像してもらえれば良いと思います。多くの人は準備をして面接に向かうと思いますが、何を聞かれるかはわからないわけですから、がっちり答えは作れないでしょう。ですから「こんな質問ありがちだよな」というものを想定して準備するはずです。

 人間、アドリブで話を振るといっても、たいてい文脈にそって質問してきます。意外と質問の幅はないはずです。大雑把でもいいので、「こんな話が来たらこういう方向性で答えよう」ぐらいのことは考えておきましょう。

 もう一つは、「おしゃべりする要領で答える」ことです。アテクシも人の前で話すことはありますが、メインのスピーチと、質問に答えるときとでは「モード」を切り替えています。

 スピーチは、ある程度の緊張感をもって、その内容や話すスピードなどを意識して集中します。しかし、質問に対しては、質問者とおしゃべりをするつもりで向き合います。単なる意識づけの違いですが、これが結構有効なのです。

まとめ:アドリブは簡単なシナリオを多く作っておく。そして、話を振った人と一対一のおしゃべりをするつもりで。

【内向型を自認するすべての人へ】新刊『「内向的な人」の幸福戦略』では、内向型が知っておくべき思考法・処世術を解説。人間関係や人生の悩みを解消するヒントを紹介している。

「内向的な人」の幸福戦略