若松信也さん(右)、若松桃子さん(撮影/写真映像部・上田泰世)
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 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2024年9月9日号では、ハンドワークス レナインの若松信也さんと若松桃子さん夫婦について取り上げました。

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 夫28歳、妻25歳で結婚。長男(9)、次男(7)、長女(2)、妻の母、犬1匹、2匹の6人と3匹で暮らす。

【出会いは?】妻の履歴書の写真を見た夫が、一目ぼれ。絶対結婚するなと思った。

【結婚までの道のりは?】先輩である夫は、新卒の妻が入社した半年後、アプローチ。3年間付き合って、2010年10月10日の大安に結婚した。

【家事や家計の分担は?】夫は子どもの送り迎えや動物の掃除、お世話をすることをメインで担当する。その他は妻が行う。家計は妻が管理している。

夫 若松信也[42]ハンドワークス レナイン アーティスト

わかまつ・しんや◆1982年、愛知県生まれ。デザイン系専門学校を卒業後、名古屋の食品サンプル会社に就職し、製造を担当後に、夫婦で開業。サンプルは土産物店、デパ地下のショーケースなどに置かれている他、東京都庁45階で都SEENとのコラボ商品も販売中

 僕たちは24時間ずっと一緒なんです。朝からずっと工房で二人で作業しています。

「夫婦二人きりでいたら息が詰まる」とよく聞きますが、朝から晩まで色々しゃべります。子どものこととか、仕事のこととか。

 たまに意見がぶつかることはありますよ。僕が突っ走ったとき、いつもは「いいんじゃない」と言う妻がそうは言わない。僕は内心、ブレーキをかけられたなと思います。でも、何が引っかかるのか妻の意見を聞いているうちに冷静になり、一晩寝たら「その通りかも」と思うことが度々あります。

 原石を見つけて「どうだ!」と言うのが僕。その原石を見て妻は調べたりデザインを考えたりして「こうすればもっといいんじゃない?」と、磨いて宝石にするんです。

 子どもの教育方針も工房の経営方針も、基本的に夫婦で向いている方向がほぼ一緒なんだと思います。日々の会話はお互いが楽しくなるアイデアが生まれる企画会議みたいなものかもしれません。

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いつか夫婦で独立しよう