先週に多く読まれた記事の「見逃し配信」です。ぜひ御覧ください(この記事は「AERA dot.」で2024年8月18日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。
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「もう完敗だと思います。箕面市長選挙、完敗」
そう険しい表情で話したのは、大阪維新の会代表でもある、大阪府の吉村洋文知事だ。
8月25日に投開票があった大阪府箕面市長選挙で、維新が擁立した2期目を目指す現職の上島一彦市長が、無所属の原田亮氏に約1万4千票の大差をつけられて大敗。維新が公認する現職の首長が、大阪府内の選挙で落選するのは初めてのことだった。
「維新人気の急落を肌で感じた」
箕面市長選告示日の8月18日朝、吉村知事は上島氏とともにいた。
マイクを握る吉村知事は上島氏の市長としての実績を強調。
「ぜひ、上島さんに2期目の市長を」
「マスコミは何かあれば維新を叩きますが、万博もあります。頑張ります」
と訴えた。
これまで吉村知事が選挙応援に入ればどこも聴衆であふれ、歓声がわきあがった。だがこの日は、猛暑とはいえ拍手はまばら。上島氏が市民に握手を求めて歩いても、反応は鈍かった。
わずか1年数カ月前、維新は23年の統一地方選で、大阪府知事選、大阪市長選をはじめ関西圏で圧勝。関西以外へも支持を広げて躍進した。
だが、維新の国会議員は、
「1年前がピークだったのかな。今年に入って維新が候補者を出している選挙は結果が出ません。箕面市長選を見ていて、維新人気が急落していることを肌で感じました」
と打ち明ける。
今年になって、大阪府では大東市長選で維新候補が落選。河内長野市長選では吉村知事の出身地にもかかわらず、候補者の擁立もできなかった。
現職を失うわけにいかない箕面市長選では、吉村知事が2度、3度と現地入り。上島氏と一緒に繁華街を練り歩く「桃太郎」戦術にも参加して支持を訴えるほど力を入れた。
だが、そこで飛んだ声は兵庫県の斎藤元彦知事に関する維新への批判だった。