和泉慶子さん(左)と采明さんはともに大学2年生。神田明神内のEDOCCO文化交流館にて(撮影/上田耕司)
和泉慶子さん(左)と采明さんはともに大学2年生。神田明神内のEDOCCO文化交流館にて(撮影/上田耕司)
この記事の写真をすべて見る

「ネプリーグ」と「呼び出し先生タナカ」、2番組の出演者が対決する「ネプリーグ&呼び出し先生タナカ夏休み合体SP!」(フジテレビ・午後7時)が26日放送される。「ネプリーグ」からはおなじみメンバーで、ベテラン芸人チームは、名倉潤(ネプチューン)と原田泰造(ネプチューン)に加え、飯尾和樹(ずん)、井戸田潤(スピードワゴン)、児嶋一哉(アンジャッシュ)、陣内智則が登場。「呼び出し先生タナカ」は、ベテラン優等生VS.フレッシュ優等生に分かれて対決する。ベテラン優等生チームには、和泉元彌、尾木直樹、さとう珠緒、島太星(NORD)、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、中島知子、渡辺満里奈。フレッシュ優等生チームは、岡田紗佳、国本梨紗、こうちゃん、中村鶴松、林輝幸、やす子が集結と豪華な面々だ。そんなゲストのひとり和泉元彌にまつわる過去の人気記事を振り返る(「AERA dot.」2022年5月9日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。

【フォトギャラリー】私服姿で仲睦まじい采明さんと慶子さん。3歳の初舞台の写真も

*  *  *

 5月17日、20歳と19歳の女性狂言師2人が、国立能楽堂(東京都渋谷区)の舞台に立つ。和泉元彌、羽野晶紀夫妻の長女・和泉采明(あやめ)さんと、元彌さんの姉で“史上初の女性狂言師”和泉淳子さんを母に持つ、慶子(きょうこ)さんだ。采明さん、慶子さんはともに現役大学生で、いとこ同士。幼いころから切磋琢磨してきた。晴れの舞台を前にした2人に、狂言への思いからプライベートまで、話を聞いた。

「今年女性狂言師は50年の節目を迎えますが、プロの狂言師の世界で女性は、私と妹の十世三宅藤九郎の2人だけ。私たち女性狂言師の歴史を継ぐのが彼女たち2人」と、和泉淳子さんは語る。

 室町時代から600余年にわたって続いてきた狂言には、大蔵流と和泉流の2流がある。

「和泉流では、大人のプロになるためには、『奈須與市語(なすのよいちのかたり)』と『三番叟(さんばそう)』の2曲を必ず披(ひら)いて(=初演して)いかなければならない」(淳子さん)

 采明さんも慶子さんも、そのうちの『奈須與市語』は既に勤めた。

「ある一定以上の大曲を初めて演じることを“披キ(ひらき)”と言います。采明は昨年12月、『三番叟』を披きました。5月17日の舞台では、今度は慶子が『三番叟』を披き、采明は相手役となる『千歳(せんざい)』を勤めます。2人の女性狂言師に同等の力がないとできません。一生に一度しかやって来ない、かけがえのない“披きの日”となります」(淳子さん) 

 女性狂言師として将来を背負う采明さんと慶子さん。「インタビューを受けるのは初めて」と初々しく答える2人に、家族、親族が見守る中で話を聞いた。

──2人は小さいころから一緒に遊んでいたんですか?

采明「もう、いっぱい。小さいころからずっと一緒です」

慶子「毎日のようにお稽古をするので、放課後はいつも顔を合わせます」

──采明さん、慶子さんはともに大学2年生ということですが、大学では何を学んでいるのですか。

著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら
次のページ
2人とも3歳で初舞台