米民主党大会が開かれている会場付近で、大統領候補のハリス氏と副大統領候補のウォルズ氏の顔を載せたTシャツを販売する男性(撮影 津山恵子)

キーワードは「前に進む新たな道」

 ハリス氏は22日夜、大統領候補として指名受諾演説に臨み、テレビで中継されるイベントとして初めて、政策について触れた。キーワードは「前に進む新たな道」だった。トランプ氏は、民主主義にとっての脅威であるというメッセージも、ジョー・バイデン大統領から踏襲し、強く訴えた。

「この選挙によって、私たちの国家は、貴重な、またとないチャンスを与えられている。それは、つらい、 皮肉に満ちた、分断的な過去から前に動き始めるチャンスだ。前に進む新たな道だ。それは、どんな政党や派閥に属しているということではなく、アメリカ人として進むべき道だ」

 ハリス氏には、こうした新しいメッセージを発信する重圧がかかっていた。

 7月にバイデン大統領が選挙戦からの撤退を発表し、突然ハリス氏が民主党大統領候補に浮上したためというだけではない。民主党大会が始まってから、元大統領やセレブが、ハリス氏が大会4日目の指名受諾演説でどんなメッセージを発信するべきか、道筋をつけてきたからである。

「アメリカのホープは、カムバックする」

 20日、会場で登壇したミシェル・オバマ元ファーストレディーはこう宣言した。ホープは、2008年大統領選挙の際、バラク・オバマ候補(当時)が掲げたキーワード。直後にステージに上ったオバマ元大統領は「将来へのビジョンのために投票しよう。イエス・シー・キャン」と続ける。同じく08年の標語だった「イエス・ウィ・キャン」をハリス氏の勝利に当てはめた。

 ハリス陣営が使っている「フリーダム」というキーワードにも言及し、「真のフリーダム」を得ようとも主張。それは、民主主義を守るため、正しい選択をする「自由」だとオバマ氏。「なぜなら、私たちはより良い国になりたいからだ」

米民主党大会の会場付近で売られていたさまざまな缶バッチ(撮影 津山恵子)

 翌21日の大会のキーワードは「ジョイ」だった。ビル・クリントン元大統領は「喜びの大統領として、カマラが必要だ」と演説。

 これを受けて大人気のテレビ司会者オプラ・ウィンフリーさんが特別登壇し、「喜びを選出しようーーーーー!」と締めくくった。

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