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 ひろゆきさんとゆかさんは、何もかもが合わないデコボコ夫婦。付き合い当初から喧嘩も絶えなかったそう。そんな経験をヒントに、渾身のアドバイスをお届けします。

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 価値観の違う人間同士が暮らしていれば、時には衝突することもあるはずです。既に起きてしまった争いを、どうしたら少しでも小さく押さえられるか?

 犬も食わないこの問題を繰り返しつつ、少しずつ築いていったわが家のお約束をシェアしてみようと思います。
 

カロリー消費の激しい私たちの大げんか

 そもそも揉めそうになったときに、たとえ自分が正しくてもその場では一時的に折れることができたり、語気を荒げずソフトな対応ができたりする人なら喧嘩にはならないでしょう。

 しかし、ともに気が強く頑固で負けず嫌いの私たち。何か言われたら同じかそれ以上に言い返す、間違っていないと思ったら絶対に引き下がらない……の無限ループで、それは見事な喧嘩を繰り返していました。
 

 一緒に住み始めた頃、こんなことがありました。

 私の就寝中、ほとんど防音の意味をなさない仕切り扉越しで、彼が突然シューティングゲームをやり始めました。

「ドーン!」という大音量に飛び起きた私が扉を開けると、5.1chスピーカーから流れるゲーム音、Skypeを繋いで「◯◯の方向に向かって!」と協力プレイする相手に指示を出す彼、時計を見ると深夜2時を回っていました。

「ちょっと!寝てるのに何考えてるの? うるさいから静かにしてよ!」

 と私がキレ気味に言うと、ムッとした彼は

「気になるなら耳栓したら?」

 と一言。

 さらに不機嫌になった私が

「は? おかしいんじゃないの? こんな真夜中に大音量でゲームしてさ、非常識じゃん。迷惑だからさっさとやめてよ!」

 とまくし立てると、

「『僕』は、まだ寝る時間じゃないの。あと僕はこのくらいの音量は気にならないから。嫌だったら出ていって」

 と応戦する彼。

 こんのやろぉ……と頭に血がのぼった私は、寝室にあったスピーカーをゲームを続ける彼に向けて、それ以上の大音量でテクノを流しました。
 

「何考えてるの? 嫌がらせのつもり!?」

 今度は彼が私に大声を出す番です。

「嫌だったら耳栓したら?」

 と得意気に言う私を、信じられないという顔で見ながら、

「君さ、出ていってくれる?」

 と怒鳴る彼。

「なんで私が出て行かなきゃいけないの? 嫌なのはあなたなんだから自分が出ていけば? 言葉に責任持ちなよ」

 と応じる私。その後、さらに言い争いはヒートアップして……ってあらためて書くとひどいですね。
 

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