複数の国にルーツを持つ人とその子どもたちが増えている。周囲が投げかける無意識の偏見(マイクロアグレッション)に苦しむケースは多く、理解を深めることが求められている。日本人の母とドイツ人の父を持つ作家のサンドラ・ヘフェリンさんに話を聞いた。
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無意識の偏見が言動に出る
この記事の写真をすべて見る障害者や、LGBTQ、人種・民族的少数者など、社会におけるマイノリティの人に向けられる「偏見や先入観がかいま見える言動」を、マイクロアグレッションといいます。自分では相手をほめたつもりでも、無意識の偏見が言動に出てしまうことがあります。
例えば学校で、ハーフの子どもはよく「何々語でしゃべってみて」と言われたり、その国の名物料理の話ばかりふられたりする。そんなふうに、その子の「外国」の部分にばかりスポットをあてるのは、やめてあげてほしいですね。
自分は日本にもルーツがあるのに「外国人扱いされている」と感じることもあるし、「見世物にされている」と感じる子もいる。その国の言葉で話したとしても、会話になるわけでもなく「そうなんだ、面白いね」の一方通行で終わってしまう。コミュニケ―ションになっていません。
それにハーフだからといって、必ずしも両方の言語を話せるわけではありません。外国の話をふられて喜ぶ子や、気にしない子もいますが、もしその子が不快感を示したときは、何が問題だったか考えてほしいです。
髪や瞳の色、見た目のことは”言わない”
ドイツで育った私は、逆バージョンを体験したことがあります。子どものときミュンヘン市内で転校したのですが、新しい学校に移ってしばらく経った頃、子どもたちが自分の好きなコミックを紹介する授業がありました。
先生は私の母が日本人なのを知っていたので、「日本のコミックを紹介してもらおう」と言った。そこで私が『ドラえもん』を紹介したところ、以来「日本から転校してきた子」という扱いになってしまいました。私はドイツ人でもあるし、ドイツのなかで転校しただけだったのに。
髪の色や質、身体の大きさなど、見た目のこともなるべく言わないほうがいいと思います。子ども同士もそうですが、大人は特に慎重になってほしい。一番いいのは、どんな人が来てもポーカーフェイスでいること。いちいち「わー、大きい」「目が何色」などと言う必要はないのです。