一見きれいでも、イライラしながら過ごしていたリビング/ビフォー

「子どもの成長もありますが、こちらが伝えたいことをちゃんと伝えて、それを受け止めて理解してくれるようになりました。まだ下の子のイヤイヤ期は続いていますが、できることも増えてきたのでそのうち落ち着くかな」

 友美さんの気持ちに余裕が生まれつつあるのは、片づけを通してできた仲間のおかげもあるとのこと。家庭力アッププロジェクト®では、同じように悩みを持つ人たちと一緒に片づけを進めます。

「専業主婦で家にずっといるので、どうしても気持ちも内側に向きやすいと感じていました。外とのつながりができて、自分が片づけたことに反応をもらえるということは楽しかったですね」

 プロジェクトが終わったら、夫は「本当に頑張ったね」と言ってくれました。あまり変わらないだろうと思っていたようでしたが、外からは見えにくい収納部分などがスッキリしたことに驚いたそう。

 友美さんは、下の子が幼稚園か保育園に入ったら仕事を始めようと考えています。

子どもたちも片づけに協力的になって気持ちもスッキリ/アフター

「子どもたちと過ごす時間を一番にしたいので、2人が園にいる時間だけのパートをしたいんです。今までだったら自分の条件は言えずに『なんとか頑張ります』と妥協することもありましたが、譲れないことは相手にはっきり伝えようと思います」

 片づけることは、自分の頭の中や気持ちを整えることにもつながります。自分の中にある情報や感情の“いる・いらない”がわかり、ゴールに向かう方法を考えて、実際に行動に移すということまでできるようになります。

 家がきれいでも、あのときの友美さんには“片づけ”という自分を変えるための手段が必要だったのです。それは、今回の話を聞かせてくれたときの友美さんの笑顔が証明してくれました。あのときに一歩踏み出して片づけていなかったら、イライラした表情の友美さんのままだったかもしれません。

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