一方、「支援などの妨げになるので、すぐに現地入りするべきではない」と答えた人たちからはこんな意見が出た。

「限られた交通網などインフラ、人的物的資源を徹底的に被災者のためにのみ集中して使うべきだ。また、いまは、動画を含め通信でやり取りできるので、災害派遣などを優先すべきだ。すぐにいく必然性はまったくない」(50代、男性、東京都)

「オンラインでやり取りができる時代。自衛隊や自治体とのやりとりで緊急の現状把握はできる。落ち着いてから詳細調査に行けばいい。もちろん少人数で」(30代、男性、沖縄県)

「すぐに現地入りして現状を把握することが政治家の仕事ではない。現状報告を聞いたうえで、政治家の領分において何ができるか判断すればよい」(30代、男性、東京都)

「国会議員が現地に行くことで救助活動や物資輸送が妨げられる可能性がある。人命を考えたら、まずは必要なものを届けるのが最優先。現状を分析できる専門家を先に派遣し、報告をもらってから国会議員が行けばよい」(60代、男性、神奈川県)

 国会議員が現地入りしても「邪魔」になるという意見も多数あった。

「国会議員が現地入りすると、現地の自治体首長をはじめ自治体職員までも拘束されるので、それくらいなら救助や支援に人を割くべき」(60代、男性、本県)

「お偉い人が来ても邪魔なだけ。議員がきても役に立たないだけでなく、警護などで不要なことに人員を割かれたりする」(40代、香川県)

「現状確認は必要と思うが、受け入れ側も含めて『大名行列』になると思う」(70代以上、男性、埼玉県)

 また、こうした意見の背景には政治家に対する不信もありそうだ。

「素人の政治家が現地に行っても役に立たないから」「議員らが政治的パフォーマンスで現地入りすべきではない」

 などと言った記述が多数みられた。

 被災者にいかに寄り添うか。政治家の実力や姿勢が問われている。

(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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