イラスト:サヲリブラウン
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 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 以前から薄々気づいていたけれど、国内どこに住んでいても、我々は「日本の夏」の認識を改めなくてはいけない。心底そう感じさせる今年の夏です。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 おかげ様でいまのところバテてはおりませんが、時間の問題だとも感じています。先日、上諏訪へ1泊旅行に行きました。長野もそれなりに暑かったものの、特急あずさで新宿に戻ってきた時の蒸し暑さは、南国の空港に降り立ったかと錯覚したほどでした。

 高齢の親には、室内では冷房を利用し、できるだけ外出を避けるように懇願。シニアになると暑さを体感できないこともあるそうで、気づいたときには家で熱中症になってしまうことも少なくない。

 働き盛り世代の私は、どうしたって毎日外出する必要があります。日傘、着替え、肌を拭くウェットシート、水、冷感スプレー、複数枚のハンドタオルに首掛けクーラーと、外出時の荷物は気温に比例して増えていく。子どものころは少なくとも午前中は涼しい時間があったのに!

 しかし、現実はノスタルジーに浸る猶予を私に与えてくれません。夏対策が必要だ。汗かきの私が、今年から採用しはじめて功を奏した暑さ対策グッズはふたつありまして。ひとつは洗顔用ティッシュで、もうひとつは保冷剤です。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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