イラスト:サヲリブラウン

 複数のハンドタオルをもってしても汗が滴り落ちる酷暑日、私は洗顔後に顔を拭く専用のティッシュ(というものがドラッグストアや通販で売られている)を3枚重ねて四つに折り畳み、小さめの保存用プラスチックバッグに入れて持ち歩いています。しっかり水分を吸い取りますし、濡れたら捨てればよいので便利。

 保冷剤は主に脇に挟みます。専用の固定バンドも販売されておりますが、小さめのをふたつズボンやスカートのポケットに入れておくだけでも可。鼠径部や脇の下など、大きな血管が通るところに保冷剤を挟んでおくと体温が下がります。長時間やると冷えてしまうので、電車の中などスポット的な利用で十分。熱中症が完璧に防げるわけではありませんが、少なくとも私の場合、通勤時のダラダラ汗は止まる。

 若かりし頃、夏の攻略法と言えば、うまく日焼けをする方法や、かわいい水着の見つけ方など、浮ついたものばかりでした。それが、いまでは命にかかわる話になってしまったのだから世知辛い。なんとか乗り切りましょう!

AERA 2024年8月12日-19日合併号

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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