「W杯でバスケの熱が急に高まったからこそ、『代表選手のイメージ=バスケのイメージ』として見られると思う。外食に行くと店員さんに応援していたよとか、声をかけられることが増えましたし、バスケ熱の高まりを実感しています。バスケに対していい印象を持ってほしいので、プレーだけではなく、コート内外で言動はしっかりと気をつけようと思っています。そこに重圧はないです。バスケのために、なので」
コートへ深々とお辞儀
バスケに対してひたすらに真摯な姿勢は、試合中のふるまいからもわかる。コートに入るたびに必ず、深々とお辞儀をする。
「尊敬している大学時代の先輩が大けがをしてプレーできなくなったとき、バスケができるって当たり前じゃないんだと思った。試合に集中しているとそういったことは忘れがち。だから、コートに立てるありがたさを忘れないために礼をするようにしています」
W杯での大躍進も、日本バスケの立ち位置は「まだまだ世界と並んでいない」と戒める。
「W杯をきっかけに自信を持って、パリ五輪で結果を残すことができれば、そこで初めて世界と遜色ないと言えるようになるんじゃないかと思います」
現状に満足せず、常に成長を模索する。まだ22歳。河村のバスケを極める旅は続いていく。(編集部・秦正理)
※AERA 2023年10月16日号より抜粋