西武は中村、栗山巧、中島宏之(現巨人)、浅村栄斗(現楽天)、森友哉(現オリックス)と高卒のスラッガーの育成能力に定評があるが、近年は若手のスラッガーが頭角を現していない。投手陣はリーグ屈指の陣容だが、貧打が低迷の大きな要因になっている。チームの将来を背負う大砲は補強ポイントで、佐々木を指名する可能性は十分に考えられる。

 他球団の動向も注目される。ヤクルトは昨オフに3年契約を結んだ村上宗隆がメジャー挑戦に意欲を示している。「村上の後釜」として、佐々木はじっくり育てる価値がある逸材だ。リーグ3連覇を狙った今季は5位に低迷し、先発陣の立て直しが急務となっている。即戦力投手が欲しい中で、どのようなドラフト戦略をもくろむか。主力野手陣の高齢化が進むソフトバンク、東北出身のスターが欲しい楽天、高卒の若手野手が次々に台頭している日本ハムも、佐々木を指名するイメージがわきやすい球団だ。

 高卒でプロ入りすることが必ずしも正解かは分からない。柳田悠岐(ソフトバンク)、吉田正尚(レッドソックス)、牧秀悟(DeNA)のように大卒でプロ入りし、球界を代表するスラッガーに覚醒した選手たちもいる。佐々木は、どのような決断を下すのだろうか。

(今川秀悟)